Santoni/サントーニ
サントーニは、1975年アンドレア・サントーニ氏がイタリア・マルケ州にて創業したシューズブランドです。1990年には当時若干21歳で息子のジュゼッペ・サントーニ氏が継承しました。
小さな紳士靴工房から始まったサントーニは、イタリアの靴ブランドの中では歴史は浅いものの、そのクオリティは高く、今ではイタリア靴ブランドの代表格として世界中で人々を魅了しています。
多彩な製法を駆使する唯一無二のブランド
革靴の履き心地を大きく左右する底付の製法は、革靴ブランドで基本となる製法を1つだけ貫くというのが一般的です。
ところがサントーニは革靴のモデルによって製法を使い分けています。
主な製法として、グッドイヤーウェルト製法とマッケイ製法があります。
堅牢な作りが特徴のグッドイヤーウェルト製法は、イギリス靴に多く見られる製法でクラシカルでトラディショナルなイメージの靴になります。
アッパー、インソール、ウェルトの三つを縫いつけたあと、ウェルトにアウトソールを縫いつける製法です。
複雑で多くの工程を経て完成します。丈夫でソール交換などのメンテナンスがしやすいことが特徴です。
最初は硬い履き心地ですが、履き込むうちに、インソールの下にある”中物”(コルク)が沈んでいき自分の足の形になります。
その為長時間履いていても疲れにくい靴が完成されます。
イタリア靴によく見られる製法がマッケイ製法です。
サントーニではマッケイ製法を”ブレーク製法”と呼んでいます。
マッケイ製法の特徴は柔らかさと軽さです。
マッケイ製法はアッパー、インソール、アウトソールを一緒に縫い付けるので、シンプルでスッキリとした見た目です。グッドイヤーウェルト製法に比べ、糸を通す回数が少ない為柔らかく足を包み込むような履き心地が実現できます。
このすっきりとしたスマートなデザインとソフトな履き心地がイタリアの男性たちを虜にしています。
代表的な2つの製法を取り入れてる革靴ブランドは数多くありますが、サントーニはこの2つの製法に加えオリジナルの製法技術など合わせて10を超える製法を駆使して靴を作り上げています。
ここまで製法にこだわっているブランドは他にないでしょう。
色気漂う艶やかなカラーリング
サントーニの靴は見惚れるほどの美しいカラーリングが特徴的です。
これはサントーニの得意とするハンドカラーペインティングという技法によって生み出されます。
色塗り専門の職人によって革に一色目のペインティングを施し、乾燥し馴染ませてから、今度はウールの布を使い色を塗り重ねていくという作業を15段階も繰り返します。
この途方もない長い工程をすべて手作業で行っています。
手間と時間と高い技術により、芸術とも評される美しいムラ感が生まれるのです。
今ではどのラグジュアリー革靴ブランドにも見られる技法ですが、サントーニは創業当時からこのハンドペインティングを取り入れていました。
グラデーションやアンティークのような仕上げはサントーニが先駆けと言われています。
ラグジュアリースニーカーのパイオニア
革靴と言えばクラシカルなイメージしかなかった時代に、サントーニはレザースニーカーという新しい革靴のジャンルを創り出しました。
カジュアルからドレススタイルまで、あらゆる着こなしに対応できるレザースニーカーは世界中のファッショニスタから注目されました。