今日、大切なお客様のお通夜に参列してきました。
2017年から当店に通ってくださっていた方で、おしゃれが大好きで、洋服を選ぶ時間そのものを本当に楽しんでくださっていました。訃報を伺い、胸が詰まる思いでした。
参列の前に、その方との過去の会話をカルテで振り返りました。
8年間で60回のご来店。ご滞在はいつも2時間ほどで、本当にいろいろなお話をさせていただきました。
3人のお子さんのこと、奥様のこと、お仕事のこと。
お友達とのゴルフや麻雀の話、学生時代の思い出。
お孫さんが生まれた日の嬉しそうな笑顔。
お父様を見送られたときのこと。
病気が見つかったときの心情。
手術後にまた顔を見せてくださった日。
痩せられて制服や洋服のお直しをしたこと。
そして、話と洋服選びに夢中になって駐禁を切られた日のことまで。
どの時間も鮮明に思い出され、私のことを店員としてではなく、ひとりの人として向き合ってくださっていたのだと、あらためて感じました。
最後にお会いしたのは2023年。
その後は約2年間お会いすることはありませんでしたが、ふとした瞬間に
「元気にしているかな」
「またお会いしたいな」
と何度も思っていました。
そんな中で届いた訃報でした。
世の中には、表向きだけのやり取りや、仕事だから続く関係、損得で成り立つつながりも少なくありません。
でも、そのお客様との時間は、そういったものではなかったと強く思います。
そして今日、あらためて感じたことがあります。
結局のところ、私がこの仕事を続けているのは、服屋だからでも、商売だからでもない。
人として温かくつながれる関係をつくることこそが、自分にとっていちばん大切なのだと。それがたまたま商いという形で、それがたまたま服屋という場で、そして扱っていたのがたまたまイタリア服だった。
その偶然のご縁を、今日はひとつひとつ思い返していました。
私と過ごした時間が、その方にとって少しでも楽しみになっていたのなら、それだけで本当にありがたく思います。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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