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イタリア紳士服の魅力
イタリア人のファッションセンス
オシャレな人が多いイタリアですが、なぜそんなにファッションセンスがあるのでしょうか?
理由の一つに、我々日本人との買い物の仕方に違いがあるようです。
イタリアでは洋服屋で客が勝手に商品に触ることはマナー違反です。気になってじっくり触ってみたい商品があれば、必ず店員に一声掛けます。
洋服を選ぶ時も、日本では自分の好みで勝手に選んでしまいがちですが、イタリアでは必ず店員と相談しながら一緒に選びます。
自分では思いもしなかった合わせ方やコーディネートを店員から学べるのです。すると自然にオシャレが身についてきます。
もう一つの理由に、子供時代の環境があるようです。
イタリアでは日本と違い、中学、高校は制服がありません。
なので、中学生になる11歳から自分で服を選んで買う人が多いようです。
日本人は制服を着るため、私服に無頓着になりがちで、ファッションセンスを磨く機会が自ずと少なくなります。
イタリア人は、子供が自分でコーディネートすることで自分なりのファッションセンスが磨かれていくのです。
イタリア人の色彩感覚
イタリアの服は、他には見られないような独特な色の組み合わせのデザインが多いです。
なぜそのような色彩感覚が身につくのか?
イタリアは湿度や太陽光の違いなどによって、日本よりも物や景色が澄んで見えるそうです。
また、北欧人の目はアジア人に比べ色素が薄いため全く同じものを見ていても実際に認識している色に違いがあるのです。
そういった点から、日本人には思いもつかないような魅力的な色合わせが生まれるのかもしれません。
日本人のオシャレとイタリア人のオシャレ
日本人は、流行っているデザイン、人気のブランドを身に着けることがオシャレだと言います。
また、日本人のファッションのお手本は雑誌だったり、身の回りの人なので結局みんなが同じような服装をしている個性のない
状態です。
イタリア人は、着ている人の雰囲気に合っているか、肌の色に合っているかなどその人個人に合うものをオシャレと言います。
日本の服との違い
イタリアの服は、イタリアならではの色の組み合わせや、大胆で鮮やかな色使いが特徴です。
例えば生地に関していえば、イタリアは一貫紡と言って、紡績、染色、整職、整理、検反、出荷までを自社で行うという
ものです。
なので、独自にユニークな柄や色の生地を開発できます。
ところが日本の方式では、1から10まで全てを自社で行うことがなく、既成の生地を使い製品を作るので、
違う会社でも同じ生地メーカーの生地を使っていれば同じような似通った服ができあがります。
日本では同じような格好をしている人が多いのはそのせいもあるかもしれません。
着心地だけでなく見た目にも拘る
日本の縫製技術は、歴史のあるイタリアのテーラリング技術に負けてませんが、
イタリアの職人は、着心地はもちろんのこと、体に沿っただけでなく、着た人を実物以上に色気があるように魅せる
ラインを考え出します。
ですから、そんな服を着ているイタリア人男性から色気が漂っているのでしょう。
イタリア人のバランス感覚と美的センスから成るものです。
イギリス服との比較
紳士服は大きく分けるとイタリアとイギリスの2つのタイプがあります。
イギリスのジャケットはガッチリしっかり固い印象。
肩パットが厚めでVゾーンが浅く、ウエストシェイプ位置が高いので、身長の高い人が着ると見栄えが良いのですが、小柄な人
が着ると余計に小さく見えてしまいます。
反対にイタリアのジャケットは、丸く滑らかな形でナチュラルな印象。
肩パットがなくソフトに仕立てられている(いわゆるアンコンジャケット)ので、ストレスなく着られます。
また、Vゾーンは深めなので、着た時にセクシーで華やかな印象を与えてくれます。
ウエストシェイプの位置は低めになるので小柄な人に似合います。
国民性の違い
イギリスは勤勉で伝統を重んじる保守的な考え方が反映されており、重くかっちりした服に対し、
イタリアは異性の目を意識してファッショナブルなデザインの服が多いです。
なぜイタリア服が人気か?
前述のとおり、イタリア人は子供の頃からコーディネートを磨き、服を買う時には店員からファッションについての知識を得ています。
こういった環境にいるので自然と色の組み合わせや、全体のバランスなど試行錯誤し、魅力的なデザインが生まれるのではないでしょうか。
日本やイギリスの服にはない、
イタリア人の独特な感性から作られた服は日本人には目新しく、魅力的に
映ったのでしょう。
イタリアの服は着る人のライフスタイルをより楽しく華やかにさせてくれます。