セルビッジデニムとは?
セルビッジ(selvage)デニムとは、旧式の織機(シャトル織機)を使って織られたデニム生地のことを言います。
ジーンズ好きの中では、セルビッジジーンズの人気が高かったりします。
旧式の織機(シャトル織機)とはどんなものか?
ほとんどの生地は、エアージェット織機という、高速で布を織ることができる織機が使われています。
(エアージェット織機)
(シャトル織機)
旧式の織機(シャトル織機)は、エアージェット織機に比べると幅(生地巾)が狭く、一度に織れる幅は80㎝ほどです。
エアージェット織機の半分しか織れない上に、織るスピードも遅いので、時間を要します。
そのスピードはエアージェット織機の約1/3といわれています。
また、エアージェット織機はボタンひとつで自動で織ってくれるのに対し、
シャトル機は、季節や気候、糸の太さなどによって機械の様子を見ながらの調節が必要で、
熟練の職人でなければ取り扱いが難しいのです。
手間と時間もかかり生産性が低いため、シャトル織機で織られたセルビッジデニムの価値は高くなります。
セルビッジデニムの特徴①
裾を折り返すと見える、つなぎ目部分の生地の両端が白くなっています。
その白地に赤い糸でラインが入っているものが主流なので、「赤耳」と呼ばれています。
セルビッジ(selvage)とは織物の耳という意味です。
最近ではラインが赤でなく、青や黄色など様々な色も見掛けられます。
折り返した時に見える部分なので、コーディネートのアクセントにもなります。
この赤耳は、ほつれ防止の役割をしています。
セルビッジデニムの特徴②
量産のデニムには出せない、セルビッジならではの風合いが見られます。
エアージェット織機で織られたデニムは規則正しいスピードで動くため、生地表面が平らで、味気ない仕上がりになります。
シャトル織機では、職人がスピードを調節しながら糸を強く張りすぎない適度なテンションで
ゆっくりと織ります。
出来上がった生地には凹凸感が残り、良い感じにムラができます。
ゆっくり織ることによって生地に空気が含まれるので、穿き込んだ時に体に馴染みが良いデニムができます。
セルビッジデニムの特徴③
生地の凹凸により穿き込んだ際の色落ちも通常のデニム生地とは違った表情が見られます。
色落ちは、ジーンズ好きの醍醐味とも言えますね。
緩く、不均等に織られたセルビッジデニムは綺麗に色落ちするという特性があります。
凹凸の立体的で美しい風合いと色落ちによるヴィンテージ感を表現できます。
セルビッジデニムは、穿き込むごとに表情の変化を楽しむことのできるデニム生地です。
セルビッジデニムは、手間と時間を掛けているこその良さがあります。
熟練職人の高齢化もあり、セルビッジの価値はますます上がっていくかもしれません。
他のデニムでは味わうことのできない風合いを楽しみましょう。