アンデスの宝石
某CMで一躍有名になった「アルパカ」ですが、冬の素材として古くから重宝されてきました。
アルパカはラクダ類ラマ属に属しており、25種類もの毛色が存在します。また、その毛色によって価値も変動します。
世界中でわずかに約400万頭しか存在せず、そのため年間の繊維生産量はわずかに約4000トンしか取れません。実はこの数字はカシミヤの年間約5000トンよりも少なく、大変珍しい素材であることから生息地に伴い「アンデスの宝石」と呼ばれています。
アルパカ素材の特徴
アルパカ素材の特徴としては、大きく5つあります。
・なめらかな肌触り
・美しく自然な光沢感
・軽いのに温かい
・丈夫で毛玉ができにくい
・シミに強く、においが残りにくい
アルパカの毛の繊維一本一本がストロー状になっており、その中にたくさんの空気を含むことができるため、優れた保温性を持ちます。加えて、その保温性はウールの7倍とされ、カシミアよりも優れていると言われています。
また、直毛でもあるので毛玉ができづらいだけでなく、シワにも強いです。
ただ、デメリットとして若干のチクチク感があります。
ベビーアルパカ
アルパカ素材の中でも、生後1~2歳のアルパカにおける初めて刈り取る毛や、それと同等ランクの細さの毛を「ベビーアルパカ」と言います。
ベビーアルパカは本来のアルパカ素材よりもはるかに細く、その細さは約21~23ミクロンと言われています。そのため、アルパカのデメリットであるチクチク感がないだけでなく、より軽い上に保温性も高いです。
カシミアと比較して
冬の高級素材と言えばカシミアですが、カシミアとアルパカを比べてみるとどうでしょう。
保温性
前述したとおり、アルパカの方が温かいとされています。
カシミアは細かい繊維が絡まりあう事で空気を閉じ込める構造ですが、アルパカはストロー状の繊維構造で空気を逃さないため、より外気に触れる事の少ないアルパカの方が保温性は高いです。
肌触り
肌触りはカシミアに軍配が上がります。
アルパカは直毛ですので、繊維の細いベビーアルパカと言えどカシミアの手触りには届きません。また、「繊維の太さ」においても、カシミアは平均14~16ミクロンと圧倒的に細いため、より滑らかです。
まとめ
アルパカ素材の特徴を理解いただけましたでしょうか。
軽くて保温性のあるアルパカは冬の季節にはもってこいの素材ですのでおすすめです。また用途に応じて、同じく高級素材のカシミアと比較することが大切だと言えるでしょう。