「皮」と「革」
この二つの漢字はどちらも同じ「かわ」ですが、実は意味が違います。
「革」は財布やバックに使われる「かわ」を表す際に用いられます。
対して、「皮」は皮膚という言葉にある様に動物の表皮としての「かわ」です。
つまり「革」は「皮」を加工することでできます。
ではどうやって「皮」から「革」になるのでしょうか?

「鞣し(なめし)」とは
「皮」から「革」になるためには「鞣し」(なめし)という工程を踏まなければいけません。
また、鞣しは「タンナー」と呼ばれる職人たちが行います。
タンナーとは「鞣し」の英語訳 tan を由来とする「皮から革へと進化させる職人」の事です。

そもそも「皮」から「革」にするには理由があります。
それは「皮」の
①すぐ腐敗してしまう
②乾くと固まってしまう
という二つ弱点を打ち消すためです。
そして、これらの弱点を補い、「皮」を安定した素材にするための作業が「鞣し」です。
「鞣し」には「鞣し剤」と呼ばれる溶剤が使われます。
主流の「鞣し剤」としては「タンニン」と「クロム化合物」があります。
タンニン鞣し
植物の渋(タンニン)を使った鞣し方です。

タンニン鞣しの歴史は長く、紀元前600年ごろからありました。
植物の中から「タンニン」と呼ばれる成分のみを抽出し、皮をその中に1か月弱~3ヵ月程度漬け込む製法です。
タンニン鞣しの革は染料の吸収が良いのに加え、なめすとき素材へのダメージが少なく仕上りが堅く丈夫になります。
しっかりとした革になることから、エイジングを楽しめることがタンニン鞣しの良さです。
そして使い込むうちに革が柔らかく馴染んでいきます。
また、中でも染料を使わず、なめしたままの色味を残した革を「ヌメ革」と言います。
ヌメ革

タンニン鞣しの革で、染色を行わず仕上げた革の名称。
ベージュっぽいヌメ革独特の色はタンニンの色です。
オイル加工も最小限にしてあるため、革本来の素材感を味わえます。
そのため、経年変化を楽しめて。
しかしその反面、水や乾燥の影響を受けやすく、扱いづらい革の種類とも言えます。
クロム鞣し
これは「クロム化合物」を用いて鞣す方法。
発明されたのは19世紀でまだ歴史は浅いです。
しかし、タンニン鞣しに比べ安価かつ短期間で鞣すことができるので現在最も使われている方法です。
基本的にはクロム化合物をドラム型の容器に入れてガラガラと1日弱回すだけで終了します。

また、クロム鞣しの革の特徴は柔らかく、伸縮性・耐水性に優れている点です。
メリットが多い革ですが、経年変化が少なく、革のエイジングは感じにくいです。
まとめ
いかがだったでしょうか?
「皮」から「革」になるには「鞣し」という工程が必ず必要です。
また、そのときにどう鞣すかによって革の性質が左右されていくのも革製品の面白いところです。
普段お使いになっている革製品もより細かく製造過程を見てみると一層愛着がわくかもしれません。
では良いレザーライフを。